「保険を使えば、無料で直せます」。住宅修理の勧誘トラブルは、10年で24倍に増えました

「保険を使えば、無料で直せます」。住宅修理の勧誘トラブルは、10年で24倍に増えました 災害便乗型

「火災保険を使えば、自己負担なしで屋根を直せますよ」。訪ねてきた業者にそう言われたら、あなたはどう答えるでしょうか。当サイトの災害に便乗する詐欺の記事でも軽く触れましたが、この「保険金を使った住宅修理」の勧誘トラブルは、国民生活センターが繰り返し注意喚起を出し続けているほど、根が深い問題です。今回は、公表されている相談件数の推移と、実際にどんなトラブルが起きているのかを整理します。

相談件数は、10年で24倍に増えています

国民生活センターの発表によると、「保険金を使えば住宅を修理できる」という勧誘に関する相談件数は、2010年度の111件から、2019年度には2,684件まで増えています。約24倍という伸び方です(出典:国民生活センター「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!)。災害が起きるたびに一時的に増える、というだけでなく、平時からじわじわと増え続けている手口だという点に注意が必要です。

相談者の8割前後は、60歳以上です

もう一つ見過ごせないのが、相談者の年齢層です。国民生活センターの別の発表では、60歳以上の消費者が当事者となっている相談が多くを占めており、2016年度は80%、2017年度は75%、2018年度も80%という水準が続いています(出典:国民生活センター「保険金を使って住宅を修理しませんか」がきっかけでトラブルに!―高齢者からの相談が増加しています―)。離れて暮らす親が同じような勧誘を受けていても、身近にいなければ気づきにくい手口だということでもあります。

実際に、どんなトラブルが起きているのか

同じ発表では、寄せられた相談の具体的な内容も紹介されています。原文のまま挙げると、次のようなケースです(出典:同上)。

  • 「申込時に手数料に関する説明がない」
  • 「クーリング・オフをしたところ、手数料は支払うようにいわれた」
  • 「保険金が少なくすぐに工事を頼めないと言ったら違約金を請求された」
  • 「保険金が支払われた後、事業者が修理工事を始めない」
  • 「うその理由で保険金を請求すると言われた」
  • 「修理の必要がないのに、不具合があるかのように言われた」

共通しているのは、「保険金請求のサポート」という名目で契約した時点では見えていなかった負担や不履行が、後になって表面化するという構造です。手数料は、保険金の中から差し引かれる形で請求されることが多く、契約時にその金額や割合がはっきり説明されないまま話が進むケースが目立ちます。

見分けるポイントと、今日からできる備え

①「保険金請求のサポート」を、その場で契約しない

国民生活センターは、契約を急がず、まずは加入している保険会社や保険代理店に直接連絡して確認するよう呼びかけています。保険金が実際に使えるかどうかを判断できるのは、訪問してきた業者ではなく、あなたの保険会社だけです。

②複数社から見積もりを取る

1社の言い値をそのまま信じず、比較検討する習慣が、不要な契約を避ける一番の防御になります。

③手数料の金額・割合を、契約前に書面で確認する

「保険金の中から手数料を引きます」という説明だけで金額が明示されない場合は、契約を保留してください。

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離れて暮らすご家族の家が古くなってきた場合、こうした「保険金で無料修理」という勧誘は、本人が気づかないうちに話が進んでしまうことがあります。見守りサービス・みまもりGPSのような仕組みがあると、「知らない業者が来た」という話を、日頃から聞きやすくなります。

まとめ

「保険を使えば無料で直せる」という勧誘トラブルは、災害の直後だけでなく、平時から10年かけて相談件数が24倍に増えてきた手口です。相談者の8割前後を60歳以上が占めている点からも、離れて暮らす家族にとって他人事ではありません。契約はその場で決めず、まず自分の保険会社に確認する。この一手間が、一番確実な備えになります。災害に便乗する手口全体については、こちらのハブ記事でも整理しています。

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(当サイトは個人が運営する情報サイトであり、警察・自治体などの公的機関とは関係ありません。記載内容は国民生活センターの公表資料をもとに整理したものです。実際の被害に関するご相談は、消費者ホットライン「188」など公的な窓口へお願いします。)

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