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当サイトではこれまで、電話で始まる詐欺の手口を1つずつ掘り下げてきました。気づけば、オレオレ詐欺・還付金詐欺・ニセ警察詐欺・預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗・金融商品詐欺・融資保証金詐欺・ギャンブル詐欺と、8つの手口を扱ったことになります。
正直なところ、名前を並べられても「結局どれが今、危ないの?」と感じる方も多いと思います。この記事では、8つの手口を横に並べて、令和8年上半期のデータをもとに、増えている手口・減っている手口を整理します。
8つの手口、令和8年上半期の動き

| 手口 | 名乗る相手 | 最終的に要求されるもの | 件数の動き | 被害額の動き |
|---|---|---|---|---|
| オレオレ詐欺 | 息子・孫など家族 | 現金手渡し(第三者が受取) | 1,898件(+15.7%) | 68.9億円(+8.7%) |
| 還付金詐欺 | 市区町村・税務署・年金事務所職員 | ATM操作で振込 | 1,489件(-17.3%) | 33.1億円(-3.4%) |
| ニセ警察詐欺 | 警察官 | 振込・暗号資産送信 | 4,466件(-6.2%) | 507.9億円(+27.3%) |
| 預貯金詐欺 | 自治体職員→銀行協会職員 | キャッシュカード・暗証番号(訪問) | 482件(-47.4%) | 4.5億円(-54.5%) |
| キャッシュカード詐欺盗 | 警察官・市役所・金融機関職員 | カードのすり替え(訪問) | 766件(+25.8%) | 8.4億円(+14.6%) |
| 金融商品詐欺 | 証券会社・弁護士・行政機関 | 振込・現金の郵送手渡し | 189件(+158.9%) | 20.6億円(+108.1%) |
| 融資保証金詐欺 | 貸金業者 | 保証金の振込 | 180件(-20.0%) | 1.0億円(-50.9%) |
| ギャンブル詐欺 | 予想業者・情報提供者 | 供託金・情報料の振込 | 23件(+53.3%) | 0.8億円(-25.2%) |
(出典:警察庁 SOS47 令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について。増減率は前年同期比)
「増えている手口」に共通しているもの
表を見ると、ニセ警察詐欺・キャッシュカード詐欺盗・金融商品詐欺の3つが、件数・被害額とも増加しています。当サイトのそれぞれの記事で書いたとおり、この3つには共通点があります。
- ニセ警察詐欺は、振込から暗号資産への切り替えが進んでいます。暗号資産は一度送るとお金の流れを追いにくく、金融機関側の検知網をすり抜けやすいと考えられます
- キャッシュカード詐欺盗は、カードを物理的にすり替えて盗む手口です。振込・送金を検知する金融機関の対策は、カードが盗まれた瞬間には効きません
- 金融商品詐欺は、劇場型・名義貸し型など8種類以上に手口が枝分かれしています。手口が多様化するほど、捜査のパターン化が難しくなります
3つに共通しているのは、「金融機関の振込監視という、いま一番強化されている対策の外側」を通っている、という点です。犯人グループが、対策の薄いところへ移動している可能性がうかがえます。
「減っている手口」に共通しているもの
還付金詐欺・預貯金詐欺・融資保証金詐欺の3つは、件数・被害額とも減少しています。この3つの共通点は、いずれも「銀行口座を通る」手口だということです。
令和7年9月、金融庁と警察庁は金融機関に対し、取引の金額や頻度から不正を検知する仕組みの強化を要請しました。ATM操作や振込を伴う手口ほど、この対策の効果を受けやすかったのではないか、というのが当サイトの見立てです。逆に言えば、「口座を経由しない」キャッシュカード詐欺盗のような手口には、この対策が直接は効いていません。
オレオレ詐欺とギャンブル詐欺は、少し違う動きをしています
オレオレ詐欺は、20年前から手口の骨格がほとんど変わらないまま、被害額は今も増加傾向です。名乗らせて信じ込ませるという、対策のしようがない「人の心理」を突く手口である以上、金融機関側の対策だけでは効きにくいのだと考えられます。
ギャンブル詐欺は、件数は増えているのに被害額は減っているという、8つの中で唯一のパターンです。1件あたりの被害額が小さくなっている、という見方ができます。
手口が違っても、対策の基本は同じです
8つの手口を並べてみると、「名乗る相手」も「最終的に要求されるもの」もバラバラです。ですが、それぞれの記事で紹介した対策には、共通する行動が1つあります。
電話を切って、自分で調べた連絡先にかけ直す。この一手だけは、8つのどの手口に対しても、共通して効果があります。相手が家族でも、役所でも、警察でも、証券会社でも、貸金業者でも、予想業者でも同じです。「今すぐ」「他言しないで」と急かされたときほど、いったん距離を置いてください。
まとめ
- 電話で始まる特殊詐欺は、令和8年上半期時点で少なくとも8つの手口に分かれています
- 増えている手口(ニセ警察詐欺・キャッシュカード詐欺盗・金融商品詐欺)は、金融機関の振込監視という対策の外側を通る傾向があります
- 減っている手口(還付金詐欺・預貯金詐欺・融資保証金詐欺)は、いずれも銀行口座を通る手口です
- オレオレ詐欺は20年変わらず現役、ギャンブル詐欺は件数増・金額減という独自の動きです
- 手口が違っても、「電話を切って自分で調べた連絡先にかけ直す」という対策は、8つ全てに共通して効きます
それぞれの手口の詳しい流れ・実例・家族の備え方は、各記事で詳しく整理しています。電話型の記事もあわせてご覧ください。
(当サイトは個人が運営する情報サイトであり、警察・自治体などの公的機関とは関係ありません。記載内容は警察庁等の公表資料をもとに整理したものです。実際の被害に関するご相談は、警察相談専用電話「#9110」など公的な窓口へお願いします。)
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