週次記録:2026年10月3日〜10月9日に報じられた詐欺事件

週次記録:2026年10月3日〜10月9日に報じられた詐欺事件 週次記録

2026年10月3日(金)から10月9日(木)までの期間に、警察や報道機関が公表した詐欺事件の情報を記録します。

この週は千葉県警察の「最新事件・事故ファイル」の確認を継続しました。詐欺事案が掲載されていたのは10月4日公開分(03774〜03778、9月28日〜10月2日分の一括公開)と10月7日公開分(03782、10月6日付)で、それ以外の日は交通事故等の記録のみでした。

報道面では、三重県内で類似した2件の高額被害(3,640万円・1,500万円)が同じ週に発表されたほか、カンボジア拠点の詐欺グループに関する逮捕・再逮捕が続きました。警察庁が10月2日に公表した8月末時点の統計では、被害額が8か月で2,360億円に達していることが確認されています。

警察庁が公表した8月末の暫定値では、被害額が8か月で2,360億円に達していた

警察庁SOS47は10月2日、令和8年8月末時点の特殊詐欺の認知・検挙状況を公表しました。この週の10月8日の日次記録では、この統計を中心に詳しく記録しています。

2026年1〜8月の認知件数は29,687件、被害総額は2,360.7億円です。前年同期と比べると件数で14%増、被害額で33%増となっています。8か月で割ると月あたり約295億円のペースで、前年の年間被害額(約1,423億円の確定値)をすでに1.6倍以上超えています。

種類別では、SNS型投資詐欺が件数49.4%増・被害額53.8%増と急拡大しています。ニセ警察詐欺は件数では前年を下回りましたが、被害額は前年同期比27%増で、1件あたりの被害額が大きくなっています。この週に報告された個別事案(三重2件・長野・茨城など)も、1件あたりの被害が1,000万円を超えるものが複数ありました。

出典:警察庁SOS47「令和8年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」(2026年10月2日公表)

「ビデオ通話で逮捕状を見せる」手口が、この週だけで複数の事案に登場した

ニセ警察詐欺では今週、電話からLINEやビデオ通話に誘導し、警察手帳や逮捕状に見える画像を画面越しに見せるという手口が複数の事案で確認されました。

三重・伊賀市の30代女性(10月9日公表)は、大阪府警察官を名乗る人物からビデオ通話で逮捕状のようなものを見せられ、「身の潔白を証明するために現金を調査する」として暗号資産3,640万円相当を送金しました。青森・40代男性(10月9日報道)は、+1から始まる国際電話番号からの電話でLINEに誘導され、警察官と検察官を名乗った人物がビデオ通話で警察手帳を見せ、ATMから2回に分けて184万円を振り込みました。千葉・鴨川署の事案(10月7日公表)では、「ネットバンキングを開設して口座のお金を送金すること」という指示が公表されています。

千葉県警察は、「+」が付く国際電話番号や知らない番号からの電話には出ないこと、また「警察からの注意喚起では現金の振込みや送金を指示することはない」と繰り返し呼びかけています。ビデオ通話で警察手帳に見える映像を見せることへの対応として、「電話を切ってから公式番号に自分でかけ直す」という手順が有効です。

カンボジア拠点の詐欺グループへの摘発が続き、「AIで顔を差し替える部屋」の存在が報じられた

カンボジア・ポイペトを拠点とする詐欺グループをめぐっては、この週だけで複数の逮捕・再逮捕が報じられました。

10月9日にグループのかけ子役とされる53歳の男が警視庁に逮捕され(グループ全体の被害は約2億円とみられています)、同日グループのオーナー役とされる39歳の会社役員を含む9人が愛知県警などの合同捜査本部に再逮捕されました。

注目されるのは、拠点にビデオ通話で顔を別人に見せるための「AIルーム」とされる部屋があったとの報道です(朝日新聞デジタル・10月9日)。生成AIを使って画面越しの顔を差し替えていたとされており、ビデオ通話で相手の顔を「確認」しても本物かどうかを確かめることが難しい状況が、現実の詐欺の手口として報じられています。

また、このグループのメンバーが三重県警の警察官を名乗っていたケースも報じられています。

三重県内で同じ週に2件、高額被害が発表された

10月9日、三重県警は同じ県内の2件の被害を発表しました。

伊賀市の30代の女性(看護師)は、7月から8月にかけて合計3,640万円相当の暗号資産をだまし取られました。多気町の70代の女性は、7月31日から8月27日の間に3回、多気町内の公園駐車場で金融庁職員を名乗る人物に現金を直接手渡し、計1,500万円をだまし取られました。

伊賀市の事案は暗号資産を7回に分けて送金する形、多気町の事案は公園での現金手渡しという形で、支払い手段は異なります。ただし両方に共通するのは、「通信事業者や警察から連絡が来る→複数のなりすまし役が順番に登場して信頼関係を積み重ねる→資金を動かすよう求める」という流れです。同じ三重県内で同じ時期に類似の流れの事案が複数発生している状況は、この記録に残しておきます。

10代の受け子2人が逮捕された。千葉県警の10月4日公開分に記録がある

10月4日に千葉県警察のサイトで一括公開された9月28日〜10月2日分(03774〜03778)には、この期間の逮捕として3人の記録が含まれていました。うち2人が10代の高校生(17歳・19歳)でした。

いずれも電話de詐欺の受け子として逮捕されています。受け子は被害者から現金を受け取る役割で、詐欺グループの末端にあたりますが、犯罪行為に変わりはなく逮捕対象となります。

「バイト感覚で」「SNSで募集を見て」という形でこうした役割に誘い込まれるケースが各地で報告されています。高い報酬を提示する「受け取り代行」や「荷物を受け取るだけ」という仕事を見かけた場合は、受け子であることを疑う根拠になります。

この週の日次記録

この週(10月3日〜10月9日)には、以下の日次記録を公開しています。

日次記録では各日に公表・報道された事案を個別に記録しています。週次記録はその週の事案を俯瞰してまとめたものです。

確認先と、このアーカイブの記録の方針

このアーカイブでは、警察庁・都道府県警察が公式に公表した情報を一次情報として参照しています。千葉県警察の「最新事件・事故ファイル」は、発生事案の概要(日付・地区・手口)を継続して掲載しています。

報道機関(NHK・各社)による記事は、一次情報を補完する目的で参照しています。報道内容の正確性について独自に確認できない部分は、「〜と報じられています」という表現で区別しています。

警察庁の特殊詐欺対策ページ(SOS47)では、被害に遭わないための情報を継続して公表しています。警察官が電話でお金の話をすることはないこと、疑わしい電話があった場合は電話を切って公式番号に自分でかけ直すことが呼びかけられています。

被害者の氏名・詐欺グループの固有の組織名称は、警察が公表した内容の範囲に限って記載しています。記録にない情報の推測や断定は行っていません。

情報の誤りや気づいた点がある場合は、info@sagi-teguchi-archive.com にご連絡ください。このアーカイブは個人が運営しています。

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