「詐欺手口アーカイブ」では、これから週次〜月次のペースで、その期間に報じられた詐欺事件を記録していきます。第1回は、2026年8月1日〜8月7日の1週間です。
この週は、警察庁が上半期の統計を発表したタイミングと重なり、複数の地域でニセ警察詐欺の高額被害が相次いで報じられました。
この週の記録
8月3日発表:静岡市で約4,800万円の被害(ニセ警察詐欺)
静岡市葵区の70代男性が、レターパックで送りつけられたスマートフォンを使って偽の刑事とやり取りをし、「捜査に協力するため」と指示されるまま口座を開設。5月下旬から7月末にかけて5回に分けて、合計約4,800万円をだまし取られたと発表されました。口座の不審な動きから発覚したといいます(出典:NHKニュース)。当サイトのニセ警察詐欺の記事で紹介した「本物の身分証は画面越しでは判別できない」という典型例です。
秋田・横手市の40代女性、SNS型ロマンス詐欺で約1,400万円の被害
2025年5月ごろSNSで知り合った相手とLINEでやり取りするうちに好意を抱くようになった横手市の40代女性が、「オンラインで医療機器を取引して病院に販売すれば利益が出る」と持ちかけられました。最初に電子マネー10万円分を送金して利益が確認できたため信用し、その後も繰り返し設備購入などを勧められ、暗号資産や現金あわせて約1,400万円を、相手の指定する口座や暗号資産アドレスに送金してしまったといいます(出典:秋田朝日放送(Yahoo!ニュース配信))。当サイトのSNS型投資詐欺の記事で紹介した「最初の少額入金で信用させ、追加入金を重ねさせる」流れそのものです。
8月4日報道:新潟県内80代女性、1億1,236万円の被害
新潟県下越地方に住む80代の女性が、2025年11月に東京都の郵便局員を名乗る電話をきっかけに、警察官・検察官を名乗る男たちとやり取りするようになりました。「あなたに詐欺の容疑がある」「身の潔白を証明するため資金を確認する」などと言われ、2025年12月から2026年2月末までの間に19回にわたり、現金を封筒に入れて玄関先に置いたり、指定口座に振り込んだりして、合計約1億1,236万円をだまし取られたといいます。金融機関からの通報で発覚し、2026年に新潟県警が認知した特殊詐欺の中で最高額とされています(出典:新潟ニュースNST)。
8月3日:IPAがビジネスメール詐欺・フィッシングの注意喚起レポートを公開
IPA(情報処理推進機構)は、企業・組織を狙ったメール攻撃の代表的な手口や被害、対策をまとめた「企業組織を狙う攻撃メールの手口とその対策」(PDF・22ページ)を公開しました。フィッシング、ビジネスメール詐欺(BEC)、標的型攻撃メールなどを取り上げ、事前の対策から検知、被害後の対応までを解説しています(出典:IPA「企業組織を狙うメールを悪用した攻撃の手口とその対策」)。個人向けの詐欺だけでなく、企業を標的にした手口も引き続き警戒が必要です。
8月7日発表:愛知県内で、息子になりすました現金配送詐欺が未遂に
7月上旬から8月5日にかけて、息子などになりすまして女性に電話でうそを言い、現金の入った荷物を埼玉県戸田市内の集合住宅の一室に配送させてだまし取ろうとしたとして、29歳の男が逮捕されたと愛知県警察が発表しました(出典:愛知県警察 主な事件の逮捕・検挙等)。当サイトのオレオレ詐欺の記事で紹介した「振込→手渡し」の進化形にあたる手口で、今回は未遂に終わっています。
週明け報道:埼玉で合計2億7,000万円余りの被害(内訳判明)
埼玉県内に住む80代の男女2人が、警察官をかたる人物からの電話でだまされ、合わせて2億7,000万円余りを失っていたことが報じられました。熊谷市の無職女性(89)は、3月下旬から複数回にわたり「あなた名義の電話番号が詐欺に使われている」などと電話を受け、金塊6個(売価計約1億4,700万円)と現金約750万円、合計約1億5,450万円をだまし取られました。川口市の無職男性(81)も、4月上旬から7月6日までの間に同様の電話を受け、現金1億1,659万9千円を5回にわたり手渡してしまったといいます(出典:埼玉新聞(Yahoo!ニュース配信))。
8月7日:警察庁が令和8年上半期の特殊詐欺統計を発表
警察庁は7月31日、令和8(2026)年上半期の特殊詐欺の暫定値を発表し、各メディアが8月7日前後に報道しました。認知件数22,031件、被害総額1,816.2億円で、いずれも前年同期を大きく上回っています。詳しくは当サイトの電話型の記事で解説しています(出典:警察庁 SOS47 発生状況)。
この週の傾向
もっとも目立ったのは、静岡・秋田・新潟・埼玉という離れた地域で、それぞれ数千万円から1億円を超える高額被害が相次いで明るみに出たことです。手口自体はニセ警察詐欺とSNS型ロマンス詐欺が中心でしたが、被害額の大きさが際立つ週でした。特に新潟と埼玉の事例は、19回・5回といった形で振り込みや手渡しを繰り返させる、長期間にわたる手口だった点が共通しています。
一方で、愛知の現金配送詐欺は未遂に終わっており、すべてが「成功」しているわけではないことも記録しておきたい事実です。IPAの企業向け注意喚起も含め、個人だけでなく組織・企業も標的になっていることが分かる週でもありました。
(当サイトは個人が運営する情報サイトであり、警察・自治体などの公的機関とは関係ありません。記載内容は各メディアの報道をもとに要約したものです。)
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