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「税務署からのお知らせ」「未納税金のお知らせ」。当サイトのハブ記事でも触れたとおり、国税庁や税務署、e-Taxを装うメールは実在します。この記事では、その手口をさらに掘り下げます。実は、この手口は平成31年(2019年)1月には既に確認されており、少なくとも7年にわたって繰り返し続いています。フィッシング対策協議会だけを見ても2022年に3回も緊急情報が出されるほど、しつこく続いている手口です(出典:フィッシング対策協議会)。
2019年から、少なくとも7年間続いている
e-Taxの公式サイトが公開している最も古い記録によると、2019年1月22日の時点で、既に「所得税に関する重要なお知らせ」などの件名で国税庁からの連絡を装った不審なメールが送信されていたことを把握していたとあります(出典:e-Tax)。さらに、フィッシング対策協議会が「国税庁をかたるフィッシング」として緊急情報を出した記録をたどると、2020年11月、2022年8月(2回)、2022年9月、2023年5月、2024年1月、2024年5月と、ほぼ毎年のように確認されています(出典:フィッシング対策協議会)。そして2026年5月には、国民生活センターが「国税庁がSMSやメールで税金の納付を求めることはありません」という発表を出しました(出典:国民生活センター)。宅配便を装う手口が8年以上続いているのと同じように、この手口も「終わらない」タイプの詐欺だということです。
件名は年々変わっている
2019年時点の「所得税に関する重要なお知らせ」という素朴な件名から、その後は「税務署からのお知らせ【宛名の登録確認及び秘密の質問等の登録に関するお知らせ】」「【重要】未納税金のお知らせ」、さらには「不動産取得資金に関する調査および回答提出の要請」という、税務調査を装うより手の込んだ件名も確認されるようになりました(出典:e-Tax)。単なる「お金を払え」から、「調査に協力せよ」という、断りにくい口実へと進化してきているのが分かります。
見分ける一番確実な方法:本文にURLがあるかどうか
e-Taxの公式サイトは、正規のe-Taxからのメールについて「原則としてメール本文内にURLを記載していません」と明言しています(出典:e-Tax)。つまり、メール本文にリンクが貼られている時点で、e-Taxを名乗るメールとしては不自然だということです。また、正規の送信元アドレスは「e-Tax(国税電子申告・納税システム)
偽サイトが実際に集めようとしている情報
2024年5月のフィッシング対策協議会の緊急情報では、偽サイトが「氏名(漢字、カナ)、郵便番号、都道府県市区町村、番地、建物名、電話番号、カードに記載された名前、カード番号、有効期限、支払い方法、セキュリティコード」を入力させようとしていたことが確認されています(出典:フィッシング対策協議会)。税金の還付や納付という名目でありながら、実際に集めているのはクレジットカードの決済情報そのものです。還付金の受け取りに、カード番号やセキュリティコードの入力を求められることはありません。
国民生活センターに寄せられた実際の相談
2026年5月、国民生活センターは実際に寄せられた相談事例を公表しています。20歳代の女性のもとに国税庁を名乗るメールが届き、「税金の未納分を24時間以内に支払わなければ資産を差押える」と記載されていました。支払う必要があると思い、メールに記載されたURLを開いたところコード決済での支払いを求められ、そのまま送金してしまったといいます(出典:国民生活センター)。ほかにも、e-Taxを名乗り未納分を請求するメールが届いた例、国税庁を名乗るSMSに記載されたURLから個人情報を入力してしまった例が寄せられています。「24時間以内」という期限の区切り方が、冷静に確認する時間を奪う仕掛けになっていることが分かります。
なお、国民生活センターは、e-Taxがメールアドレスを登録した利用者に対して定型のお知らせを送ること自体はある、とも説明しています。ただし、その文面で税金の納付を求めることはない、という点が実際の判断基準になります。
実践チェックリスト
e-Taxの公式サイトは、不審なメールの見分け方として次の点も挙げています(出典:e-Tax)。そもそもe-Taxにメールアドレスを登録していない人には、e-Taxからメールが届くこと自体がありません。また、宛名が「担当者様」「納税者様」といった広く一般的な書き方になっている場合も要注意です。e-Taxに宛名登録をしていれば、本文には自分で登録した宛名が表示されるからです。国税庁は、キャラクターのイラストやロゴの画像を添付したメールも送っていません。
- メール・SMS本文にリンクが貼られていたら、e-Taxを名乗るメールとしてはその時点で不自然だと考える
- 差出人の表示名でなく、実際のメールアドレスを確認する(正規は info@e-tax.nta.go.jp のみ)
- e-Taxにメールアドレスを登録した覚えがなければ、それだけで届くはずのないメールだと判断できる
- 宛名が「担当者様」「納税者様」のように一般的な書き方なら、なりすましを疑う
- イラストやロゴの画像が添付されたメールは、その時点で不審だと考える
- 還付金・未納税金の連絡だとしても、カード番号やセキュリティコードの入力を求められたら即座に疑う
- 心当たりの有無にかかわらず、リンクは開かず、自分で調べた最寄りの税務署の代表電話や顧問税理士に確認する
- 「調査への回答」「差し押さえ」など、断りにくい口実ほど警戒する
見分ける力に加えて、技術的な備えという選択肢
ここまでの行動ルールが基本ですが、家族の誰かがうっかりリンクを開いてしまうことは起こり得ます。巧妙な詐欺も、ESETなら見抜く 軽くて強い、家族を守るセキュリティ
のような、フィッシングサイトを検知するセキュリティソフトを入れておくと、行動ルールをすり抜けてしまった場合の二重の備えになります。
もし、すでに情報を入力してしまっていたら
カード番号やセキュリティコードを入力してしまった場合は、直ちにカード会社に連絡し、利用停止と再発行の手続きを行ってください。身に覚えのない請求がないか、しばらくの間は利用明細も確認してください。不安な場合は、警察相談専用電話(#9110)や消費者ホットライン(188)にも相談できます。
まとめ
国税庁・e-Taxを装うフィッシングは、2019年から少なくとも7年、件名を変えながら繰り返されています。見分ける一番確実な手がかりは、メール本文にリンクがあるかどうかです。正規のe-Taxはメール本文にURLを載せず、送信元も一つのアドレスに限られています。「税金」という無視しづらいテーマだからこそ、リンクを開く前に一呼吸置く習慣が、そのまま一番の対策になります。
(当サイトは個人が運営する情報サイトであり、警察・自治体などの公的機関とは関係ありません。実際の被害対応は、上記の公的な相談窓口へお願いします。)
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