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今年(2026年・令和8年)の敬老の日は9月21日です。実家に帰る、電話をかける。そういう機会に、詐欺の話を切り出すのは、正直やりにくいものです。「うちの親は大丈夫」「そんな話をすると不快にさせるのでは」と、つい後回しにしてしまいます。でも、実際に被害に遭った方の多くも、被害に遭う前は同じように「自分は大丈夫」と思っていました。この記事では、帰省したときや電話で話すときに、5分でできる具体的な確認事項をチェックリストにしました。
まず知っておきたいこと:「注意が足りない」から騙されるのではない
警察庁がまとめた報告書には、次のような指摘があります。「特殊詐欺グループは、積み重ねてきた『失敗』や『成功』を踏まえて絶えず修正を加えて極めて狡猾・巧妙にしたマニュアルに依っている」「被害者は、たとえ特殊詐欺について『知識』があっても、『自分は大丈夫』と自信があっても、十分に注意をしていても、『電話に出て』しまえば、必然的に、だまされることになってしまう」(出典:警察庁組織犯罪対策部)。だからこそ、「気をつける」という気合いではなく、電話に出る前の段階で仕組みとして防ぐことが重要になります。
チェック1:固定電話は「常に留守番電話」になっているか
横浜市の案内では、「在宅時であっても常に留守番電話に設定しておき、着信時の電話番号に心当たりがない場合には電話に出ないようにする」ことが勧められています(出典:横浜市)。詐欺グループは、録音される可能性がある相手を嫌う傾向があるとされ、留守番電話への設定はもっとも基本的な対策の一つです。
警察庁の報告書には、実際にこのルールを普段は守っていた方の体験談が載っています。85歳の男性は、「普段であれば、留守番電話に設定しており、すぐに電話に出ないようにしていました」としながらも、家族が来る予定があったその日に限って電話に出てしまい、オレオレ詐欺で3,000万円をだまし取られたと振り返っています(出典:警察庁組織犯罪対策部)。普段からルールを守っている人でも、「今日は特別」という一瞬の例外が被害につながっています。実家の電話が常に留守番電話になっているか、帰省したときに実際に確認してみてください。
チェック2:家族の「合言葉」を決めているか
横浜市は、「普段から家族で特殊詐欺について話し合い、事前に電話での呼びかけ方や合言葉を決めておく」ことも呼びかけています(出典:横浜市)。子や孫を名乗る電話に、家族しか知らない合言葉を確認するだけで、なりすましを見抜ける可能性が上がります。難しい言葉である必要はなく、「最近見た映画のタイトル」のような、その場で他人が答えられない話題を1つ決めておくだけでも効果があります。敬老の日に家族が集まるタイミングは、こうした話をあらためて共有する良い機会です。
チェック3:ATMの利用限度額は、今どうなっているか
特殊詐欺の被害が深刻化する中、金融機関ではATMの1日あたりの利用限度額を引き下げる動きが進んでいます。JAバンクしまねが2026年1月に公表した案内では、2026年4月1日からキャッシュカードでの1日あたりのATM利用限度額を50万円に引き下げるとされています。あわせて、「70歳以上かつ過去1年間のATM取引(お引出し、お振込)1回あたりの利用額が30万円以下の方」については、引き続き利用限度額を30万円とする、という条件も示されています。理由として「特殊詐欺犯罪の全国的な増加や警察庁からの要請」が挙げられています(出典:JAバンクしまね)。同様の動きは全国の金融機関で進んでおり、警察庁は75歳以上を対象に1日30万円という上限を全国銀行協会と調整していると報じられています(出典:日本経済新聞)。
限度額は金融機関ごとに異なり、現在も変更が進んでいる最中です。実家の親が使っている銀行・信用金庫・JAで、実際の限度額がいくらに設定されているか、窓口や通帳の案内で一度確認しておくことをおすすめします。限度額の変更を希望する場合は、多くの金融機関で窓口への申し出が必要です。
チェック4:防犯機能付き電話は検討したか。自治体の補助制度もある
警察庁は、着信前に「この通話は防犯のために録音されます」といった警告メッセージを流す機能や、通話を自動録音する機能を備えた防犯機能付き電話の導入を勧めています。非通知の着信を自動的に拒否する機能もあり、こうした電話機の導入には自治体によって補助金制度が用意されている場合があります(出典:警察庁SOS47)。実家のある自治体で補助制度があるかどうかは、市区町村の窓口やホームページで確認できます。
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補助制度の対象外だったり、手続きが間に合わなかったりする場合は、市販の製品を自分で用意する方法もあります。振り込め詐欺抑止装置・自動通話録音機(楽天市場)のような、警告メッセージと自動録音の機能がセットになったタイプが、この用途ではよく選ばれています。
チェック5:メールやSMSの「リンクを開かない」を共有できているか
ここまでは電話が中心でしたが、宅配便・税務署・カード会社などになりすますメール・SMSの手口も広がっています。当サイトの別記事で整理したとおり、対策の基本は「メール本文のリンクは開かず、自分で調べた公式サイト・アプリ・電話番号から確認する」という一点に尽きます。実家のスマートフォンにも、この一つのルールが共有できているか、帰省の機会に確認してください。
→ 宅配便、税務署、カード会社。あなたの生活に一番近いところからやってくる、なりすましメール・偽サイトの手口を整理しました
離れて暮らしていて、確認しに行けない場合
実家が遠方で、頻繁に帰省できないという方も多いはずです。
のような、詐欺電話・詐欺サイトの検知に特化したアプリの中には、離れて暮らす家族の様子を知らせる「安全確認連絡サービス」が選べるものもあります。直接会って確認する機会が限られている分、こうした技術的な備えを組み合わせておくと安心材料になります。
10問で整理するチェックを用意しました
この記事の確認事項を、「はい/いいえ」で答えるだけで整理できます。→ 実家の親は大丈夫?詐欺の狙われやすさ・備えチェック(10問)
敬老の日の会話で、伝えたい一言
「詐欺に気をつけて」という漠然とした声かけより、「留守番電話、ちゃんと設定できてる?」「もしもの合言葉、決めておこうか」というように、具体的な行動を一つずつ確認する方が、実際の備えにつながります。5つのチェックすべてを一度にやる必要はありません。今年の敬老の日は、この中から1つだけでも、実家で一緒に確認してみてください。
まとめ
- 留守番電話を常に設定しておく。普段は守れていても、「今日は特別」という一瞬の例外が被害につながる
- 子や孫を名乗る電話に備えて、家族だけの合言葉を決めておく
- 実家が使っている銀行のATM利用限度額を確認する。全国的に引き下げが進んでいる
- 防犯機能付き電話の導入と、自治体の補助金制度の有無を確認する
- メール・SMSのリンクを開かないというルールを、家族で共有できているか確認する
(当サイトは個人が運営する情報サイトであり、警察・自治体などの公的機関とは関係ありません。実際の被害対応は、警察相談専用電話(#9110)や消費者ホットライン(188)などの公的な相談窓口へお願いします。)
→ オレオレ詐欺からニセ警察詐欺まで。電話で始まる詐欺の手口を、家族の目線で整理しました
あわせて読みたい:離れて暮らす親を詐欺から守る、見守りサービスの選び方。4つを比較しました。
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