SNS・ネット型詐欺、4つの手口を1枚で比較してみました

SNS・ネット型詐欺、4つの手口の令和8年上半期の動き比較図解 SNS・ネット型

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当サイトでは、SNS・ネット型の詐欺として、SNS型投資詐欺・SNS型ロマンス詐欺・サポート詐欺・フィッシング・架空料金請求詐欺・交際あっせん詐欺を1つずつ掘り下げてきました。電話型と同じように、これらを横に並べて比較してみます。

4つの手口、令和8年上半期の動き

SNS・ネット型詐欺、4つの手口の令和8年上半期の動き比較図解
手口 主な入り口 名目 件数の動き 被害額の動き
SNS型投資詐欺 バナー広告・DM・投稿(Instagram等) 投資・資産運用 5,893件(+105.1%) 797.9億円(+126.0%)
SNS型ロマンス詐欺 マッチングアプリ・DM 恋愛関係 2,509件(+0.2%) 246.6億円(+2.6%)
架空料金請求詐欺
(うちサポート名目:735件・8.3億円)
ハガキ・封書・SMS・メール(サポート名目はパソコンの偽警告画面) 未払い料金・訴訟 3,115件(+8.5%) 74.6億円(+9.0%)
交際あっせん詐欺 警察庁定義は雑誌・メール。実際の摘発事例はSNS 結婚相手紹介サービス 330件(+96.4%) 11.7億円(+120.7%)

(出典:警察庁 SOS47 令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について。増減率は前年同期比。サポート名目はIPA相談件数とは別の、警察庁の特殊詐欺統計上の数字)

「デジタルで完結する」2つの手口は、暗号資産に向かっています

SNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺には、共通する動きがあります。被害金の受け取り方が、振込から暗号資産へとシフトしていることです。

当サイトのSNS型投資詐欺の記事で紹介したとおり、この手口は振込型が69.3%とまだ多数派ですが、暗号資産送信型も16.1%まで伸びています。さらに顕著なのがロマンス詐欺です。件数ベースでは振込型(47.1%)が暗号資産送信型(44.6%)をわずかに上回るものの、被害額ベースでは暗号資産送信型(57.5%)が振込型(36.6%)を逆転しています。「恋人と一緒に投資をしよう」という名目で、暗号資産の購入・送金に誘導されるケースが、この逆転の背景にあると考えられます。

2つの手口は、伸び率ではまったく対照的(投資詐欺は+126.0%、ロマンス詐欺は+2.6%)ですが、「お金の受け取り方」という切り口で見ると、同じ方向に向かって進化しているのです。

「紙・電話が入り口」の2つの手口は、コインロッカーと電子マネーへ

一方、架空料金請求詐欺と交際あっせん詐欺は、被害金の受け渡し方がまったく違う方向に進化しています。

架空料金請求詐欺の記事で紹介したとおり、この手口はコンビニで購入させた電子マネーの番号を伝えさせる「電子マネー型」や、コンビニ払いの番号を悪用する「収納代行利用型」が中心です。交際あっせん詐欺の記事で紹介した愛知県警の事件では、駅構内のコインロッカーに現金約135万円を入れさせるという、より直接的な受け渡し方が使われていました。

暗号資産のようにデジタルで完結させるのではなく、電子マネーの番号や、コインロッカーという物理的な場所を介して受け渡す。これは、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺とは異なる、もう一つの「足がつきにくくする」工夫だと言えます。

交際あっせん詐欺だけが、認知も検挙も両方跳ね上がっています

4つの手口の中で、交際あっせん詐欺の動きは特に異質です。認知件数+96.4%というだけでも大きな伸びですが、検挙件数は前年同期の1件から18件へと+1,700.0%という跳ね上がり方をしています。交際あっせん詐欺の記事で紹介した愛知県警の事件のように、結婚相談所を運営する事業者自体が詐欺行為に関与していたケースが摘発されると、複数の被害者・余罪がまとめて明らかになり、検挙件数が一気に押し上げられることがあります。

SNS型投資詐欺(認知+105.1%・検挙は別集計)のような「認知だけが急増する」パターンとは違い、交際あっせん詐欺は摘発の手も同時に強化されている、珍しい組み合わせです。

「入り口の建前」と「実際の入り口」がずれ始めています

もう一つ、4つを並べて見えてきたことがあります。架空料金請求詐欺の記事で触れたとおり、この手口は今もハガキ・封書という「昔ながらの入り口」が中心を占めています。一方、交際あっせん詐欺は、警察庁の定義上は今も「雑誌やメールに記載された案内」とされていますが、実際に2026年に摘発された事件は、どちらもSNSでのやりとりが接点でした。

統計上の分類(紙・電話が入り口)と、実際に起きている事件(SNSが入り口)の間に、少しずつずれが生まれ始めているように見えます。「この手口は紙で来るはずだから」という思い込みは、今後は通用しなくなっていくかもしれません。

副業詐欺は、少し違う統計の話です

当サイトでは副業詐欺も取り上げていますが、この記事の比較表には含めていません。副業詐欺は警察庁の「特殊詐欺」統計ではなく、国民生活センターが集計する消費生活相談の件数(PIO-NET)を根拠にしているため、単位が異なり、単純に並べて比較できないためです。SNSを入り口にした「稼げる系」の勧誘という点では、この記事で扱った4つの手口と地続きの動きだと考えています。

まとめ

  • SNS型投資詐欺(+126.0%)とSNS型ロマンス詐欺(+2.6%)は、伸び率は正反対ですが、どちらも被害金の受け取り方が暗号資産へとシフトしている点で共通しています
  • 架空料金請求詐欺(+9.0%)と交際あっせん詐欺(+120.7%)は、電子マネーの番号やコインロッカーという、暗号資産とは違う「足のつきにくさ」を使っています
  • 交際あっせん詐欺は、認知件数・検挙件数の両方が同時に急増するという、4つの中でも特異な動きを見せています
  • 交際あっせん詐欺の入り口は、定義上は「雑誌・メール」ですが、実際の摘発事例はSNSが中心になりつつあります

それぞれの手口の詳しい流れ・実例・見分け方は、各記事で詳しく整理しています。SNS・ネット型の記事もあわせてご覧ください。

(当サイトは個人が運営する情報サイトであり、警察・自治体などの公的機関とは関係ありません。記載内容は警察庁等の公表資料をもとに整理したものです。実際の被害に関するご相談は、警察相談専用電話「#9110」など公的な窓口へお願いします。)

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