断れない性格が、なぜ狙われるのか。訪問販売とテレアポ、両方の現場から

断れない性格が、なぜ狙われるのか。訪問販売とテレアポ、両方の現場から 電話型

訪問販売で、契約したことがある

正直に書きます。私自身、訪問販売で契約したことが何度かあります。動画配信サービスもその一つです。今思えば、そこまで必要なかったものも含まれています。

怪しい会社だったとか、強引な手口だったとか、そういう話ではありません。ただ、目の前で丁寧に説明されて、「今日決めていただければ」という空気を作られると、断るタイミングを逃してしまう。そういう経験が、私にもあります。

「断れない」は、性格じゃなくて技術で作られる

訪問販売や電話営業には、断りにくい空気を作るための技術があります。沈黙を作らせない、質問に質問で返す、「今だけ」を強調する。これは別に悪いことをしているわけではなく、営業という仕事の技術として、昔から存在するものです。

ただ、この技術は詐欺の手口とかなり近い場所にあります。正規の営業も詐欺も、「断らせない空気を作る」という一点においては、驚くほど似ています。

電話をかける側にいて、分かったこと

私は長年、電話で営業する仕事をしてきました。かける側にいると、分かることがあります。電話の向こうで、本当はこの人は断りたいんだろうな、と伝わってくる瞬間です。

言葉では「検討します」「大丈夫です」と言いながら、声のトーンや間の取り方で、押されると流されてしまいそうな人がいます。強く「いりません」と言い切れる人と、そうでない人の差は、はっきりあります。

「営業をやってる人ほど、営業に弱い」という逆説

これは昔から感じていることですが、営業という仕事をやっている人ほど、実は営業に弱い、という面があると思っています。相手の話を最後まで聞いてしまう癖、感じよく対応しようとする習性、断ることへの罪悪感。仕事で身につけたはずの姿勢が、そのまま自分の弱点になる。

私自身、訪問販売や動画配信サービスの契約をしてしまったのも、根っこは同じだと思います。話を最後まで聞いてしまう、感じよく対応しようとする、そこにつけ込まれる。

断れない人ほど、狙われるリスクがある

強く出れない、断るのが気まずい。これは性格の問題というより、多くの人が多かれ少なかれ持っている傾向だと思います。だからこそ、この傾向がある人は、詐欺においても利用されるリスクが高いと感じています。

詐欺の手口を調べていて改めて思うのは、詐欺師は「断れない人」を狙って作り込んでくる、ということです。緊急性、権威、同情。どれも、断る隙を与えないための材料です。テレアポの現場で感じていた「断れない空気」と、詐欺の電話が作る空気は、根っこの技術がかなり近いと感じています。

気まずさより、後悔の方が大きい

断るときの気まずさは、一瞬です。でも、必要のない契約をしてしまった後悔は、しばらく残ります。詐欺であれば、なおさらです。

「断ったら悪いかな」と思ったら、一度立ち止まってみてください。その場で決めなくていい話は、たいてい、その場で決めなくていい話です。良い話ほど、後で考える時間をくれるものだと、私は思っています。

▶ オレオレ詐欺からニセ警察詐欺まで。電話で始まる詐欺の手口を、家族の目線で整理しました

▶ テレアポの現場から。「詐欺じゃないですよね?」と言われるたびに、考えていること

※本記事は運営者「ふふ」の個人的な経験・実感に基づくコラムです。特定の企業・商品を非難する意図はありません。

NEWSLETTER

最新の詐欺手口を、週1回メールでお届けします

新しい手口の解説記事や、その週に報じられた詐欺事件のまとめを無料で配信します。ご家族への注意喚起にもお使いください。

運営:詐欺手口アーカイブ(info@sagi-teguchi-archive.com)。メール内のリンクからいつでも配信停止できます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました